和田颯(Hayate)のMV振付ダンサーKensukeにインタビュー

19.04.16

-MVの楽曲はどうやって決めましたか?

Kensuke:もともとどんな感じにしようかって言うのをHayateと打ち合わせしてKensukeっぽい感じでっていう事だったので、自由に選ばせてもらいました。僕は、曲のイメージに近しい世界観を思い浮かべながら振付を考えるので、今回は純粋にこの曲を聴いてこの世界観好きだなぁと思って選びました。

-英語の歌詞と日本語の歌詞の振付の違いはありますか?

Kensuke:僕の見解でいうと、歌詞に合わせた感じとか関係なく曲を感じたままに表現するダンサーさんもいて、もちろん人それぞれに表現の方法はあると思うんです。その中でも僕は、振付を考えるときに歌詞とリンクさせて意味を持たせたいと思っていて。
例えば英語で「めちゃくちゃ君を愛しているのに、僕はそれに立ち向かうことができないんだ」みたいなニュアンスの歌詞だとしたら、それを表現するために苦しそうな表現をしたときって英語に馴染みがない人からするとわかりにくいわけで、日本語で歌詞を聞いてれば苦しいんだなってわかると思うんだけど。たくさんの人に伝わってほしいなっていう思いで僕は日本語の歌詞を使う事が多いですね。やっぱり日本にいる以上は、日本語の方が伝えやすいですね。

-振付を考えるときはどんな場所で考えますか?

Kensuke:めちゃくちゃ切迫詰まっているときは、宿泊先のホテルで考えないといけなかったり、空き時間に端の方でつくらないといけなかったりするんだけど、基本的に僕の場合はスタジオをとって音が流せる環境をつくって、ちゃんと靴と履いてなるべく本番に近い状態でできるほうがいいかな。

-環境が整っていた方がいいんですね。

Kensuke:そうですね。でも中にはキッチンで考えるとか、部屋にある窓に向かって踊った方が作れますっていう人がいたり。結構色々な人がいるんだけど、僕はスタジオで立ちたいってタイプですね。

-iPhoneを使ったきっかけはなんですか?

Kensuke:あれはよくみたら、”call me”って書いていて。歌詞も主人公の男性が女性に飜弄されるっていう歌詞なんだけど、そんなイメージを英語で表現しているタイミングでいっぱい着信が来ているよって意味で歌詞に合わせてシーンをつくってみたっていう感じですかね。

-歌詞を理解してみた方がすごく面白くみれるってことですね。

Kensuke:そうそう!僕の場合はそうですね!純粋にみるのも面白い、かつ実は調べてみたらここの歌詞と振付がリンクしていて。イメージに沿ったシーンなんだっていうのがちゃんと歌詞で追ったときにわかるように仕掛けもつくっています。

-すごくワクワクしますね!

Kensuke:ありがとうございます!次に何が起こるんだろうっていうのが、なるべくみている人たちには想像できないようなシーンをいっぱいつくってあげる方が映像って面白いと思うので、それをちゃんと映像チームに提案できるような環境を振付を僕からつくれたらいいなって思っています。

-だから現場でも少しずつ止めながら指示を出していたんですね。

Kensuke:そうですね。例えばiPhoneをぱって僕が落とすシーンがあるんだけど、あれって実は横にコートを持って構えてくれてる子がいて(笑)自分の頭の中で横にいる子が写らないように寄って撮ろうと考えて。監督に撮影前に「ここはカメラを上にあげてほしい」っていう話をして、それが事前にイメージできていればある程度は映像をつくる前の段階で映像組に投げる事ができるので、そこは気をつけていますね。

-すごく考えているんですね。

Kensuke:そうですね。実は凄い計算されてつくられているところもありますね。

-フォーメーションで工夫した事はありますか?

Kensuke:純粋に僕のシーンは座っている人がいて、っていうイメージを漠然とつくっていて。次にFumiyaが踊る時はどうしようかなぁって思ったときに、とりあえず一個前の座っているのはなしにして、何か面白いのがいいなって思って。それはなんかこうミステリーサークルっぽくしようと思って、最後はせっかく9人協力してくれたので9人がギュって集まった感じを撮れたらいいなと思いました。

-あの全員が集まるシーン鳥肌が立ちました。

Kensuke:ほんと!?なんか純粋にびっくりするっていうシーンは例えば、一番はじめにつくっちゃうと面白くないから次何が来るんだろう?なんだろ?っておばけ屋敷でおばけが「わっ!」てくるみたいな感じで。9人が「ばっ!」って集まってくると迫力あるなぁって思って、その漠然としたイメージを少しずつつくっていきながらシーンを組み立てていました。

-衣装のこだわりはありますか?

Kensuke:衣装はsuzuki takayukiというブランドなんだけど、色々なアーティストさんにも提供されていて。今回の衣装は「HayateがDa-iCEで着ないやつ」っていうのと「踊りが映えそうなやつ」っていう2つのテーマをなんとなく自分の中で決めていて。それに近しいもの、プラス映像のテーマに合ったものって考えたときに、布で回った時とかにフワってなる方がかっこいいなって思って選ばせていただきました。それと、もともと白とかで考えていたんだけど、実際にみてみると赤とか青があって、それがすごく綺麗でHayateもすぐにそっちを手に取っていたから、「赤にしようか!」ってなって決まりました。

-踊るときの表情も気にされていますか?

Kensuke:そうだね。表情もすごく大事だと思っていて。ライブとか生で観るときってその場の雰囲気とかも感じられるけど、映像はそうはいかないので。画面を通すと伝わりにくかったりもするので、いつもより2倍くらい迫力を出さないと伝わらないかなって思いますね。かといって無茶苦茶な顔をするってわけじゃなくて、シーンに合わせていますね。

-振付を考える際に表情も確認されたりしますか?

Kensuke:表情はつけるチームもいると思うんだけど、今回はHayateもFumiyaもプロなので、特にそういった細かい指示を出さなくても振付の意図を理解してくれていたっていう感じですね。

-撮影の中で大変だったことはありますか?

Kensuke:めちゃくちゃリハーサルが毎回早く終わっていて、Hayateとも長い付き合いになるので。ん〜大変だったこと何かあるかな〜。

-順調に進んだんですね。

Kensuke:そうだね。順調に行きすぎて困っちゃったくらいです(笑)1回目に全部通したときにHayateの顔がずっと始めから終わりまで暗いままであまり見えなくて、最後にHayateの顔はちゃんと出したいってスタッフさんが話してて。監督は僕の世界観を理解して暗いまま撮るっていう提案をしていて、最終的にはスタッフさんの案も入れて最後だけパッ!って明るくして撮ってみたらそれがすごく良くって。Hayateの表情もすごく良くて。全員の意見が合わさって、創作がどんどん進んでいって。時間的には短い時間だったんだけど、すごくいい環境でさせていただきました。

-好きなシーンはありますか?

Kensuke:最後の集まってくるシーンはすごく好きですね。あと、照明の光の加減とかもすごく計算されていて、僕は照明に関しては「シンプルな感じでいろんな照らし方をしてくれたら嬉しいな〜」っていう感じだったのですが、それを監督がすごくいい感じにしてくれました。照明さんも細かい微調整もしてくれたので映像でみたときにすごく綺麗でいいなって思いましたね。皆さんにも感じてもらえれば嬉しいです。

-最後にMVの見所をお願いします。

Kensuke:さっき言った通り実は細かくめちゃくちゃ計算してる場所もあったり、シンプルに踊りで見てもらいたいこともあったり、面白い要素は随所に個人的には仕掛けているので。ここをみてください!ここをみましょう!っていうより面白かったなって、受け手が思ってくれればいいなって思います。なのであえて僕からの見所は無しにして、純粋に楽しんでもらいたいなって思います。

 

Hayate (Da-iCE) Wagic Hour Works Vol.1-
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Kensuke
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